【感想】東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない

書評

プロゲーマーのときど氏が自分の半生を綴った本を読んだので、簡単な説明と感想を書いていきます。

サブタイトルの「情熱」という言葉が気になり読んでみましたが、ときど氏の経験を元にわかりやすく説明されていて熱い内容でした。

プロゲーマーとはなんなのか、東大を卒業しているのになぜプロゲーマーになったのかなど、一般的にはあまりない経験に触れることができる一冊になっています。

2014年に書かれたものなので、情報が古いと思いますがご了承ください。

目次

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「ときど」とは

まずは、ときど氏について簡単に紹介させていただきます。

経歴

本名は「谷口 一(たにぐち はじめ)」1985年7月7日生まれ。私立麻布中学校・高等学校卒業後、一浪して東京大学理科一類に入学。東大卒業後に同大大学院に進学後、院を中退。その後は公務員試験の最終面接を蹴りプロゲーマーとなる。

性格

合理的で効率化を重視する性格。強キャラを容赦なく使い、強い戦法を用いることで強くなるために最短距離をとるなど、勝てれば何でもいいといった勝利至上主義であった。新作タイトルの攻略にも定評がある。

好きなことに対して、没頭して作業できるタイプ

ゲーム好きで、ゲームのために勉強やトレーニングなど他のことにも力を注げる。学生時代はゲーム買ってもらうために勉強を頑張るといったエピソードもある。

ニックネーム

「ときど」というニックネームはKOF(キングオブファイターズ)の八神 庵というキャラの決め台詞「飛んで、キックからの、どうしたぁ!」の頭文字からきている。他にも色々あるが、空気を読まない「寒い」プレイスタイルから「アイス・エイジ」と呼ばれていたり、プレイ中の顔が殺人鬼のように見えることから「マーダーフェイス」などと呼ばれている。

格闘ゲームとの出会い

小学1年生の時、友人の家にて「ストリートファイター2」と出会い、小学3年生の時に沖縄に住んでいる従兄に「バーチャファイター」でボコボコにされ格闘ゲーマーについて知ることになる。その黒星から従兄に勝ちたいと思い格闘ゲームに没頭する人生が始まる。

それから、大学4年まで殆どがゲーム漬けの日々を送り、大会で優勝した経験もある。

ゲーム断ち

大学4年までゲーム優先の日々を送っていたときど氏ですが、大学4年の1年間はゲームから距離を置いていた。その理由は大学での「研究」。ゲームに飽きたのではなく、ゲームに代わる面白いものを見つけたからです。

「研究」を通して、ゲームで学んだことを生かしたり恩師と出会いがあったそうです。

プロゲーマーになる

一度はゲームから離れたが、後述する情熱を元に公務員になることを蹴りプロゲーマーになる道を選択しています。

プロゲーマーとは

本書では、プロゲーマーをプロゴルファーの規模の小さいバージョンと例えている。格闘ゲームが代表的だが現在ではfpsなどジャンルは幅広い。

主な仕事

世界各地で行われる大会に出て優勝を目指す。そのために練習などをすることが主な仕事になる。練習時間は最低でも8時間、大会前では12時間以上に及ぶこともある。また、スポンサーによって違いはあると思うがそのスポンサーが扱っている商品のレビューやPR活動を行う。

収入源

収入源は主に2つ

  • スポンサーから支払われる固定給
  • 大会出場時の賞金

情熱

結論を言うと本書で一番伝えたいことはサブタイトルの「論理は結局、情熱にかなわない」ということである。本書の中でときど氏が情熱に対して考察をしている。

「成果を出せる人間と、そうでない人間の違いは何か。

答えは情熱である。

情熱がないのは論外、2人いて2人とも情熱があるなら、より高温の情熱を持っていたほうがより大きな成果を上げる。これが、僕が情熱について出したひとつめの結論だ。

ではなぜ、情熱が大切か。それは、情熱がなければ、真剣に取り組めないからだ。人を動かし、何かを生み出すような真剣さは、ひとえに情熱から生まれる。」

情熱があったからこそ、ゲームの大会や研究で賞を獲得できていることが裏付けされています。

「また、情熱がある人には、情熱のない人にはないメリットもある。

それは、人からの援助である。」

ゲームを離れたきっかけとなる「研究」では、恩師からの情熱が伝染し、ときど氏も「研究」に情熱を注ぎ、お互いに成果を出しています。プロゲーマーになった後でも練習相手をする仲間が集まったりなど情熱は人に伝わるものなのです。

「元来僕という人間は、人から火を移してもらわなければ情熱を抱けない人間だった。」

ゲームや研究に没頭できるときど氏も、周りから情熱を受け取ることで自分自身に情熱を抱く人間でした。

しかし、いつまでも情熱を持った人がすぐそばにいるわけではなく大学の恩師が自分の元からいなくなったことでこのことに気づいています。

情熱を失ってからは、没頭するものもなく公務員になろうと考え公務員試験を受けます。しかし、一度情熱を知ってしまった彼は情熱を望み、その期間中にすでにプロゲーマーになっていた「ウメハラ」や父親のアドバイスでかつて情熱を注ぐことのできたゲームの世界でプロになることを選びます。

感想

情熱について、すごく共感できました。

自分も含め大半の人は、火をを移してもらわなければ情熱を抱けない人間なんだと思います。

「情熱を持ちたいけど持てない」といった悩みは僕自身も持っています。

そんな時は「この人熱いな、面白いな」と思う人の側にいることで情熱の火を移してもらいましょう。

普段の職場や学校にそういった人がいなかったら同じ趣味や興味がある物事で人が集まるような場所にも行ってみるのがいいのかもしれません。ゲームが好きでゲームセンターに通う人が多いように同じように情熱を持っている人がいてお互いの情熱を高めてくれると思います。

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